「離人症」との関係
「不思議の国のアリス症候群」は、大学生の半数が体験している「離人症」で起こることもあるそうです。これは、てんかんや片頭痛がないのに「不思議の国のアリス症候群」が見られる場合のことです。そこでは重度の「離人症」が疑われます。
「離人症」という病名からはどんな病気なのかわかりにくいのですが、これは精神障害のひとつです。WHOによる診断名では、「離人・現実感喪失症侯群」となっています。自分が自己の体から一体性を失っているような症状で、現実感がないなどの抽象的感覚、自分の意識が自分の体から離れていくような感覚もあります。
いずれにしても、現実感の喪失と呼ばれる症状です。この症状は、しばしば一時的に出ますし、持続的反復的に出現することもあります。人が大勢いる場所にいるのに周囲の人々の状態が非現実的で、マネキンが林立しているまったく無機質な中にいるかのような感じを受ける、といえばわかりやすいでしょうか。
これは珍しい症状ではなく、病的レベルではない離人体験なら大学生の50%が経験しているという報告もあります。
軽度の離人症なら薬を使用しなくても自然と治ることがあります。しかし、「不思議の国のアリス症候群」が出現するレベルの離人症になると、他の何らかの脳の病気が潜んでいる可能性もあります。そうなると、早めに精神科を受診してください」と呼び掛けている。
症状を抑えるには、脳の物理的異常の原因になっている、てんかん、片頭痛の治療が有効です。脳腫瘍、薬物、ウイルス感染による場合もあるとされています。